一年の半分

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水無月が終わる。
今年も半分が終わる。
2014の上半期は考える事が多かった。そして、思っていた以上に、思っていた色々な事が出来なかった。

飲んだ酒の量もステージに立った本数も、思っていた以上に少なかった。






否が応でも自分と向き合わなければならなかったり。そんな中で色々と考えたり思ったり。

焦って
苛立って
空回って
開き直って

殆どが実を結ばぬまま、一年の半分が終わろうとしている。






勿論、無駄だとか無意味だとかは思っていない。

出来る事と出来ない事があって。
言える事と言えない事があって。

そんなのはきっと、誰だって同じ。楽しい事や素敵な事もたくさんある。雨でも晴れでも、自分らしくいられるかどうかだけだ。






上半期最後の夜。
窓にあたる雨粒を眺めながら

秋の事とか
機材やバスの事とか
人生に於ける変化だとか

色々考えながら、自分で良かったなとか思ったり。
大切な事を忘れかけている時でも、必ず何かと繋がっている。当たり前な事ほど、見えなくなりやすいのかも知れない。







君の声には幸せがあって、流れる景色を煌めかせたりする。








本日の逸品・21時以降



C-4

遊園地

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何年ぶりか分からないくらい久し振りに、新潟にある遊園地に行ってみた。

サントピアワールドという名前だが、旧称の安田アイランドと呼ばれる事の方が多い。






パッと想像し易い、古びた一般的な遊園地。これといった真新しさや際立った特色は無い。

でも、一通りの乗り物と歩き疲れるくらいの広さがあって、安心できる遊園地。






古びた遊園地にはサーカスや移動動物園といった、所謂キャラバンに似た空気がある。

歩き方や見方で表情が随分と違って見える。音楽でいったら、速めのマイナーワルツみたいな感じ。






感じ方は色々あるけれど、やはり一番似合うのは笑顔と笑い声だ。

当たり前だね。遊園地って、そのためにあるものだしね。







麦酒も合うね。








本日の逸品・観覧車



C-8

アメノヒミツ

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夏至の頃の宵は、ふと見上げれば息を飲む様な美しい夜空を広げている。
小さい頃からそれを見ると、どうしようもない気持ちになる。

美しいという現象は、ただ無条件に優しく何かを与えてくれる訳ではない。






それでも、夏至の宵の空は好きだ。

金曜日なので路上唄者活動。紅い弐号機を抱えて唄う。
初めてここで弾き語りをしてから、何度目の夏だろうか。






ふと、
昔の事とか思い出したり
今を思い浮かべてみたり。

たくさん獲てきたし
たくさん失ってきた。






例えば会いたいとか
例えば話したいとか

そんな事一つも上手くいかない自分の人間性にがっかりしても。
自分だから上手くいかないのなら、それはもう、胸を張るしかない。

六本の弦を左手で押さえて、右手で打ち鳴らして。唄いたい事を唄って。それだけでも、上等な筈だろう。







寂しくても、唄うのが好き。夏至の宵みたいに好き。








本日の逸品・雨の秘密



C-2

ノッキング

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色々、空回っている。
からからカラカラと空回るばかりで、一向に進まない。

まぁ、いい。
いいと言うより、仕方がない。






それはそれで乙なものだ、なんて言う気は無い。空回りは本来避けるべき徒労。良い事なんかない。

ただ、空回るなら何もしないという考えに行き着くくらいなら、倒れるまで空回った方がマシだ。






あくまでもマシだ、というだけ。自ずから好き好んでぶっ倒れるまで空回りたくはないよ。

頭が悪いから思いつかず、「仕方がない」で一休みしているのかも知れない。






格好悪いね。
実に格好悪い。

何も迷わず何でも食って
お腹の中で燃やして
壁を目掛けて突進するくらいの意気込みが欲しい。







突進に耐えうる丈夫なエンジンも欲しい。








本当の逸品・ステロイド



D-8

D氏に花束を

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中学生の時。
観察処分の最中、大吾少年は保護司から

「本を一冊読んで、感想文を書いて来るように」

と言われた。

確かに
中身の無い反省文よりは読書感想文のほうが、書く方にとっても読む方にとっても、余程有意義なものだろう。
でも当時は面倒くさいだけだったけれど。






その時に手にしたのが先日亡くなられたダニエル・キイス氏の『アルジャーノンに花束を』だった。
この本は全編通して主人公の日記的な綴りで描かれていて、それまで読んだ全ての本と違っていた。






世界中で翻訳されているであろう『アルジャーノンに花束』。大吾が思うには、多分日本語で訳されたものが最も素敵なんじゃないかな。

最初に読んだ感想は、これは要約すれば人の一生を凝縮した物語で。でも、一体誰が幸せだったのか?って事。






この本は本当に好きで何度も読み返している。今でも年に一度は読むくらい。

人間が想定外の手に負えないものに手を伸ばしたら、どうなるのか。アルジャーノンは幸せだったのだろうか、とか。







ダニエル氏に、感謝と哀悼の意を。








本日の逸品・アルジャーノンに花束を



C-7

雨降り

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小さい頃からだから慣れっこだけれど、大吾は眠るのが下手だ。夜眠りに就いて朝までぐっすり、なんて年に一度も無い気がする。

今日も疲れてはいたけれど、上手く眠れず。ステージのあった夜は、特に。






うとうとしたり目が醒めたりの繰り返し。その合間に麦酒を飲んだり、窓を伝う雨粒を眺めたり。

徐々に白んでゆく空を眺めながら雨音を聴いていると、数時間前にステージに立っていた事がライヴが嘘みたいに感じる。






朝食に鯛飯おにぎりと卵焼き、温かくて美味しい汁物を頂き、日曜日が始まる。雨なら雨で悪くない。

古さが素敵な水族館へ行き、海の生き物達を眺めたり。お昼ご飯は漁港の近くの魚屋が並ぶ商店街で浜焼き。

朝食に魚を食べ
水族館で魚を観て
昼食に魚の姿焼き。

お魚さん達には悪いが、ヒトに生まれて良かった。






友達とさよならをして村へ戻り、グレッチとアンプを片付け。夕方に溜まったペットボトルを隣町のスーパーマーケットへ持って行き、野菜やドーナツを買う。

夜は久々にクラクラに酔っ払った。酔っ払いながら、ペンギンを初めに見て
「これは鳥だ!」
と言った人は凄いな、とか思った。







疲れたけれど、遊び足りない。
酔ったけれど、飲み足りない。








本日の逸品・ペンギン



C-8

三人の歌姫

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今日はメモリーにてライヴ。道中のお供はGuns N' Rosesの1stアルバムと、友達からもらったシュークリーム。

アンプとグレッチを積んだ小さな車で曇り空の下を南下。色々考えながら上越の街に入る。






メモリーに着くと、ひろむしがリハをしていた。その後に森本真伊子のリハ。

二人のリハを見て、安易な気持ちでは太刀打ち出来ないと思った。勿論、いつだって安易な気持ちでステージに立つ事なんてないけれど。






とりあえず一度メモリーから出た。様々な店がひしめき合う飲み屋街は、土曜日の夜に向けた準備をしている。その中を緊張と嬉しさを胸に、缶麦酒を片手に一人で歩く。

何だか懐かしい気持ちで、どう書いたら良いか分からないけれど。こんな気持ちを抱いて一人で歩いている事も、今日メモリーのステージで唄える事も嬉しかった。






本番はリハ以上に素晴らしくて、もう書く気もないくらい。

中村さん
ひろむしさん
もりまいさん
そしてやわらかくも凛とした唄でトリを飾った上越の歌姫で本日の発案者、金子アミさん。素敵な夜をありがとう。また会える日を、楽しみにしています。


嶋本大吾・本日の演目
1.ハイランド
2.映画館へ
3.三拍特急
4.ハレルヤ
5.あの家の子
6.夏
7.ヴァルキュリー







唄をやっていて良かった。そう思えた夜だった。








本日の逸品・キーボードスタンド



C-6